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鍵屋の事業で赤字が出たらどうすればいい? 赤字の対策方法を解説
個人事業主として鍵屋のビジネスを行っている場合、安定的な経営を実施することは必須ですが、もし赤字になってしまった場合の対処方法はご存じでしょうか?「赤字だったら確定申告はしなくても良いって聴くけど、あまり詳しく分かってない…」という方も多いのではないでしょうか?結論から申しますと個人事業主は赤字でも確定申告を実施することをオススメします。
本記事では、個人事業主は赤字の際でも確定申告をした方が良い理由や、赤字の際に活用するべき『青色申告』について、鍵屋で法人化するメリットについて解説します。もし経営が安定的に行えなかった場合でも、どのように対処していけば良いのか理解を深めましょう。
【目次】
1.個人事業主は赤字でも確定申告をした方が良い?
2.赤字の時は青色申告を活用するべき
2.1 赤字の繰り越しが可能
2.2 青色事業専従者給与として経費にすることができる
2.3 控除額が大きい
3.鍵屋で法人化するメリットは?
3.1 納める税金を抑えられる
3.2 赤字を10年繰り越せる
3.3 経費計上できる範囲が広い
3.4 社会保険に加入できる
4.まとめ
1.個人事業主は赤字でも確定申告をした方が良い?
個人事業主は、1年間の収入·支出を計算し、所得·損失を算出する必要があります。所得·損失を算出して黒字だった場合は、所得に対して課税される所得税を支払わなければなりません。個人の所得から所得税を計算していくため、事業行う上で赤字になってしまった場合、所得はゼロとなります。つまりその場合は、納めるべき所得税は発生しないということになります。そのため確定申告は不要となり、確定申告は特に義務ではなくなるのです。
ただ、確定申告を実施しなければならないという義務はありませんが、実は赤字の場合でも確定申告は実施しておいた方が賢明です。赤字の場合だからこそ活用すると良いのが『青色申告』です。青色申告を行うことによって、赤字だからこそ活用できることや将来を見据えた際に活用できる節税のメリットが存在します。
2.赤字の時は青色申告を活用するべき
ではここからは青色申告を活用するべき理由について3点解説します。個人事業主として赤字になってしまった際でも青色申告を活用すると自身の負担が大きく減るケースもあります。鍵屋として事業をおこなううえで非常に便利な制度なので、理解を深めて青色申告を効果的に活用しましょう。
2.1 赤字の繰り越しが可能
青色申告の一番大きな特徴として、赤字を翌年以降最大3年間繰り越すことが可能になります。事業が赤字になってしまった場合に青色申告による確定申告をすることで赤字額を翌年最大3年間繰り越すことができ、仮に翌年利益が出た場合その利益分を赤字分で相殺できるようになります。以下に例を掲載しました。
例)昨年の所得が100万円の赤字で、今年の所得は150万円の黒字だった場合
昨年分…所得税額0円
今年分…150万円 – 100万円 = 50万円
→50万円に対して所得税がかかる
例を参考にすると、青色申告を活用することで150万円の黒字に対して昨年の100万円の赤字分が相殺されています。これによって50万円分のみ所得税が必要となり、税金が安くなることに繋がります。
2.2 青色事業専従者給与として経費にすることができる
こちらは事業に配偶者や親族が関わっている際に利用ができるものです。原則、配偶者や親族に支払った給与は経費に入れることはできません。しかし青色申告の場合、以下に該当する人への給与は経費に入れることが可能となります。
- 青色申告者と生計を共にする配偶者その他の親族
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上
- 6ヶ月以上の期間その青色申告者の営む事業に従事していること
しっかりと従事していることが条件ですので、「少し手伝った」程度では経費にすることは難しいです。6か月以上、従事している必要があるので注意しましょう。
2.3 控除額が大きい
こちらは赤字の際に活用できるというよりは、青色申告の違った活用方法となります。
所得税は2020年分の確定申告から、基礎控除として48万円が適用されています。青色申告を実施すると、条件を満たすことでさらに最大65万円の特別控除を受けることができ、控除額が大きくなります。
しかし、最大65万円の特別控除を受ける際には以下の条件を満たさなければなりませんので注意しましょう。
- 複式簿記による記帳が必要
- 貸借対照表·損益計算書の作成
- e-Taxによる申告または電子帳簿保存が必要
3.個人事業主から法人化するメリット
鍵屋として個人事業主で仕事をおこなっている場合、事業が発展してくると法人化も検討してくることでしょう。一定以上の収益を出せるようになってくれば、法人化をおこなうことでも税金関連でメリットがもたらされます。ここからは個人事業主から婦人化するメリットについて解説します。
3.1 納める税金を抑えられる
個人事業主から法人化することで納める税金を抑えられます。前述したように、個人事業主には「所得税」、法人には「法人税」がかけられるようになり、課せられる税金の種類が変わってきます。そして所得税は累進課税制度、対して法人税は事業で稼いだ所得に対してほぼ一律の税率がかけられるようになっています。そのため、所得が一定以上になった場合は法人税の方が税負担が軽くなり、法人の方が納める税金を抑えられるようになるのです。
3.2 赤字を10年繰り越せる
法人として事業を行って赤字になってしまった場合、この赤字を10年繰り越せるようになります。法人として事業を行った際の赤字は「欠損金」と言いますが、この欠損金を10年繰り越すことができ、この後10年間の内に出た黒字と相殺が可能です。つまり、欠損金を申告しておくと、その後出た利益にかかる税金を軽減できるようになるため、これは法人ならではのメリットと言えるでしょう。
3.3 経費計上できる範囲が広い
法人化すると、経費に計上できる範囲が広くなります。基本的には、事業にかかった費用を経費として計上できるという点は個人事業主も法人も同じです。経費には、打ち合わせの飲食代や新年会、忘年会などの会食代といった交際費も含まれます。法人になることで、交際費以外にも経費にできる項目が多くなります。たとえば、経営者本人及び家族従業員への給与、生命保険料、社宅、出張費や休日出勤の手当などがあげられます。そのため、法人の場合は、給与に関する所得控除が受けられるようになります。個人事業主の事業所得は、売上から経費を差し引いた金額となり、「給与」という概念がなく、自身に入る収入は経費とすることができません。経費として計上できる幅が広がるため、かなりの節税につながるでしょう。
3.4 社会保険に加入できる
法人化すると社会保険の加入が義務となり、法人の支払い負担が発生します。支出が増えることから一見デメリットのようにも見えますが、従業員側からすれば社会保険に加入できることは安心につながり、優秀な人材の確保、さらには事業拡大の観点からもメリットであると言えます。また、社会保険の支払額は、国民健康保険に比べて高くなりますが、老後に受け取れる年金額は高くなります。
4.まとめ
本記事では、個人事業主は赤字の際でも確定申告をした方が良い理由や、赤字の際に活用するべき『青色申告』について解説、個人事業主から法人化するメリットについて解説しました。鍵屋として事業をおこなうことは非常に素晴らしいことですが、きちんと経理に関しての知識を持っておかなければ、円滑な経営をおこなうことは難しいです、円滑な経営をおこなえなければ、鍵屋のサービスを受けるお客様も満足してサービスを受けられないかもしれません。今回解説したような知識をきちんと身に着け、1人の経営者として事業を発展させていきましょう。