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元入金とは?個人事業主における資本金を解説
元入金とは?個人事業主における資本金を解説
資本金とは、会社を立ち上げる際に必要な資金になり、株主や投資家が出資したお金を指します。
一方で個人事業主の場合は事業を始める際に資本金は必要ありません。その代わりに個人事業主には資本金と同じようなものにあたる「元入金」という開業資金が必要になります。
個人事業主における資本金である元入金はどんなものなのか解説していきます。
〈目次〉
1.個人事業主にとっての資本金は「元入金」
1.1 元入金を立てる意味
1.2 元入金が無くても事業は始めてもよい
2.元入金の仕訳と計算方法
2.1 開業した時
2.2 事業資金を事業のために使った時
2.3 個人資金を事業のために使った時
3.まとめ
1.個人事業主にとっての資本金は「元入金」
個人事業主が事業を開始する際、開業資金を自分で調達しなければなりませんが、この事業開始のためのお金を元入金と言います。
個人事業主になる前に元入金の基本について知っておきましょう。
1.1 元入金を立てる意味
元入金を立てる意味は、事業用とプライベートのお金を分けるためです。
個人事業主は、事業用の資金とプライベート用のお金を流用することが多くなります。その線引きを明確にするために必要になるのです。
事業資金に使われる勘定科目の「元入金」に対して、プライベートなお金を管理するときに使用する勘定科目には「事業主借」と「事業主貸」が存在します。
この勘定科目によって、事業用とプライベートのお金を分けていく必要があります。
1.2 元入金が無くても事業は始めてもよい
法人の開業資金である資本金は、会社を立ち上げる際に必ず必要になります。しかし、個人事業主の開業資金である「元入金」は必ずしも必要なわけではありません。
個人事業主は、元入金を用意せず0円で事業をスタートすることもできます。
ただし、元入金を準備しない場合、プライベートのお金から事業に必要な費用を払うことになります。
また、融資を得たい時に元入金が不明だと通りにくくなってしまうこともあります。
元入金が無くても事業は開始できますが、半年間くらいの運転資金の予測を立て、必要になる資金を元入金として入れておくのをおすすめします。
2.元入金の仕訳と計算方法
では、元入金が必要となる時はどんな時なのでしょうか。ここからは元入金の仕訳と計算方法について解説していきます。
2.1 開業した時
前述したように、個人事業主として開業した時は、元入金が必ず必要という訳ではありません。用意をしなければ元入金の仕訳は必要なくなります。
ただし、お金の管理をしっかりするためにプライベートなお金と事業を運営していくにあたって必要な資金をきちんと分けておくととても便利です。
もし、個人的な現金を事業のための資金とする場合には『現金/元入金』と仕訳しましょう。
2.2 事業資金を事業のために使った時
元入金を準備して事業を始め、事業用の資金が手元にあることを想定した状態です。
このような状態で事業に必要なものを支払うときは、手元にあるお金を使ってお金を払うことができます。
例えば事業用に5万円のタブレットを購入した場合、消耗品費50,000/現金50,000という仕訳を行います。
こちらは元入金を使った仕訳を行うことはなく元入金の金額は変わりません。
2.3 個人資金を事業のために使った時
元入金をゼロ円で開業した場合や、元入金より事業資金が高くなってしまって資金が不足した場合などは、必要に応じてプライベートの資金を使う場合があります。
事業のためにプライベートのお金を使うことは、事業主が個人に借り入れをしている状態になります。
そのため、プライベートのお金を事業のために使う時には「事業主借」といった仕訳になります。
例えば、事業用の資金がない場合で、事業用に5万円のタブレットを買ったとします。 そうなると、消耗品費50,000/事業主借50,000ということになります。
これは、元入金を仕訳するわけではなく、元入金の額も変動していないことになります。
3.まとめ
今回は、元入金についての基本情報や仕訳、計算方法について解説しました。
元入金は、個人事業主の開業時や決済の際に使う勘定科目です。
元入金が毎年増加していくのが経営的には理想になりますが、万が一マイナスになってしまっても会計上では問題ありません。
ただし、マイナスになってしまった場合は、事業用資金を追加するなど改善を行うことが重要です。