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個人事業主が開業届を出すメリット・デメリットについて解説
個人事業主として事業を実施していくにあたって、大前提として知っておくべきことの1つに挙げられるのがこの「開業届」。個人事業主として事業を実施する際はこの開業届の提出が義務となりますが、出さずとも罰則などはありません。しかし、開業届を出すことは個人事業主にとって様々なメリットがもたらされることもあります。
そこで今回の記事では開業届を出すことの基礎知識やメリットなどについて解説していきます。
〈目次〉
1.開業届とは?
1.1 開業届を出さないと罰則がある⁉
2.個人事業主が開業届を出すメリット3選
2.1 青色申告の活用が可能
2.2 赤字だった場合繰り越しが可能
2.3 事業用の銀行口座を開設できる
3.開業届を出すデメリットはあるのか?
4.まとめ
1.開業届とは?
「開業届」と聴くと少し面倒くさそうなイメージがある方は多いかもしれません。しかしそんなことはなく、税務署に開業届の提出手続きに行けば簡単に実施ができます。開業届は個人事業主として事業を行っていくという証明のものになり、原則事業開始後1ヶ月以内に提出することが義務付けられています。
1.1 開業届を出さないと罰則がある⁉
開業届」とは、原則事業開始後1ヶ月以内に提出することが義務付けられていますが、提出が遅くなったとしても特に罰則があるわけではありません。また、「事業を開始した」という定義もないので、これから事業の準備をしていく状態で開業届を出す方もいれば、事業売上が軌道に乗ってから開業届を出す方もいるため、曖昧な部分があります。ですが、開業届を出すことで複数のメリットが得られます。
2.個人事業主が開業届を出すメリット3選
ここからは開業届を出すことによってもたらされるメリットについて解説していきます。
2.1 青色申告の活用が可能
開業届を提出することで「青色申告」が可能となります。青色申告とは、青色申告承認申請書を提出することで、この申請書を提出すると所得金額から最大65万円分の控除を受けることが可能となります。この青色申告は個人事業主にとって最大の節税方法の1つと言われているため、実施することがオススメです。申請は任意となっておりますが、金銭面での恩恵を受けたいのであれば青色申告を申請するべきでしょう。
2.2 赤字だった場合繰り越しが可能
2つ目のメリットは、赤字を翌年から3年間に繰り越せることです。赤字を繰り越すことで、翌年の収益から算出される税金が少なくなります。例えば、去年の赤字が100万あり、今年の収益が500万だったとします。赤字の繰り越しがなかった場合だと500万を基に税金を計算されますが、前年度の赤字を繰り越すことで400万から税金を割り出してくれるということです。このように赤字が出た場合でも、開業届を提出しておくことで節税効果の恩恵を受けることができ、事業に対する負担を小さくすることができるのです。
2.3 事業用の銀行口座を開設できる
最後のメリットは、事業用の銀行口座を開設できるということです。また、「屋号」といわれる個人事業主上での自分の組織名のようなものでの銀行口座を開くことも可能になります。屋号で銀行口座を開設することで、口座に入金するお客様などの安心感に繋がることもあります。さらに、仕事とプライベートのお金の管理がしやすくなります。事業に関するお金をプライベートと混合した口座にしておくと、事業での支出なのかプライベートでの支出なのか分からなくなってしまう恐れがあります。プライベートの口座と事業用の口座は分けておくことで、明確にお金の動きが区別することができるようになります。
3.開業届を出すデメリットはあるのか?
次に、メリットがある一方で開業届を出すデメリットについて解説していきます。開業届を提出してしまうと、失業給付が受けられない可能性があります。会社を退職し、雇用保険に加入していた場合は3ヶ月間失業給付が受け取れますが、個人事業主として開業届を出すと自身で生計を立てていけるとみなされ、給付が受けられなくなってしまうことがあるのです。失業保険は、失業者が次の仕事を見つけるまでのサポートを目的としているので、個人事業主は支給の対象になりません。この問題についてはご自身の人生のプランや考え方に応じて判断していきましょう。
4.まとめ
今回の記事では開業届を出すことの基礎知識やメリットなどについて解説しました。個人事業主として開業届を出すと、青色申告が可能になったり、税制上の優遇の恩恵が受けられたりするので、様々なメリットがあります。開業届を活用すると、あなたの事業の安定的な経営にも繋がりますので、ぜひ開業届を出すことをオススメします。