ブログ
鍵屋として把握しておくべき売上と粗利! 経営の基礎を解説
鍵屋として事業を営んでいくうえで重要となるのが「売上」と「粗利」です。これらを順調に積み上げていかなければ、経営の発展は難しいといえるでしょう。しかし、事業をおこなっている人の中には、「あまり意味が分かっていない」という人もいらっしゃいます。
本記事では、売上と粗利の概要や、売上目標の設定のポイント、粗利を上げるためのポイントについて解説します。
【目次】
1.売上と粗利とは
1.1 売上とは事業で得られる収益の総額
1.2 粗利とは売上総利益
1.3 なぜ粗利が重要になるのか?
2.売上目標を設定する際のポイント
2.1 最低限稼がなければいけない売上(粗利)を把握
2.2 根拠のある売上目標を立てる
2.3 過去のデータも確認して売上予測を立てる
2.4 立てた目標に対しての行動計画も立てる
3.粗利を上げて収益性を高めるためのポイント
3.1 販売数を増やす
3.2 商品・サービスの価値を高めて単価を上げる
3.3 材料費などを見直して原価を下げる
4.まとめ
1.売上と粗利とは
事業をおこなうとよく聞く「売上」と「粗利」ですが、「あまり違いが分かっていない」という人も少なくありません。この違いを把握していなければ、円滑な事業経営は難しいといえるでしょう。まずは、「売上」と「粗利」の違いについて解説します。
1.1 売上とは事業で得られる収益の総額
売上とは、企業の事業活動で得られる収益の総額で、商品やサービスを提供することで得られる対価です。一般的に、製品やサービス別の金額ではなく、一会計期における収益の合計額を指します。売上には、預貯金の利息や配当金などのいわゆる営業外収益は含まれません。通常は売上高と呼ばれますが、シンプルに売上とすることも多い呼称です。
売上は企業の業績や事業規模を示すものでもあり、売上が計上されないことには企業は利益を獲得することができません。また、事業を継続していくうえでは、さまざまな費用が発生します。こうした費用をまかなう大元となるのも売上高です。十分な売上高が確保できなければ、事業を継続していくための費用をまかなえなくなってしまう可能性が高くなります。
1.2 粗利とは売上総利益
粗利とは、売上総利益のことを指します。基本的に、利益は売上額から売上原価や固定費を差し引いて求めることができます。それに対して、粗利は利益から比較すると売上から売上原価だけを引いた利益であり、人件費や光熱費、通信費などの固定費を引かずに計算される利益であるため、粗く計算して求められる利益という意味が込められています。
粗利の求め方は、「粗利=売上ー売上原価」になります。売上総利益から売上原価を差し引いて計算されます。そのため、商品やサービスのざっくりとした利益を表しています。粗利は固定費等を引いていないので粗利が十分にないと営業利益や経常利益をあげることはできません。粗利が全く出ていない場合は赤字になり、その状態が長く続くと倒産に繋がってしまいます。
1.3 なぜ粗利が重要になるのか?
事業経営における、人件費や販管費、水道光熱費といった経費は、すべて粗利から支払われます。そのため、粗利以上に経費を使わなければ必ず利益が手元に残るということであり、会社の基本となる利益として重要な意味を持っています。
また、粗利が稼げていない場合、商品やサービスが、原価以上の価値を持って世の中に受け入れられていないと判断することができます。また、その商品やサービスが競合他社と対等以上に渡り合えるかどうか、競争力を見極める基準としても使われます。
2.売上目標を設定する際のポイント
売上は企業の業績や事業規模を示すものでもあり、売上が計上されないことには企業は利益を獲得することができません。そのため売上を上げていくことは、事業経営において非常に重要なこととなります。ここからは、具体的に売上の目標を設定する際のポイントについて解説していきます。
2.1 最低限稼がなければいけない売上(粗利)を把握
売上目標を設定する前に、最低限稼がなければいけない売上(粗利)を把握することが重要です。利益を左右するのは、売上高から費用を差し引いた「粗利益」です。最低限稼がなければいけない粗利益を計算することで、その後の売上目標設定に役立ちます。また、経営には「損益分岐点」というものがあり、ある事業において売上と費用がまったく同じ金額、つまり利益がゼロになる売上のことを差します。損益分岐点を上回る売上があれば利益が出て黒字になり、下回ると赤字になります。鍵屋として事業を始めだした際は、まずはここkを目標としてもいいでしょう。
2.2 根拠のある売上目標を立てる
売上目標は、ただ単に過去の数字に近い数字を設定するだけでは意味がありません。根拠のある売上目標を立てることが大切です。具体的には、市場調査や競合分析、自社の強みや弱みなどを考慮し、現実的かつ実現可能な目標を立てます。
2.3 過去のデータも確認して売上予測を立てる
過去のデータも確認することで、売上予測を立てることができます。売上が伸び悩んでいる時期や伸びている時期、季節要因などを考慮し、売上目標を立てます。また、顧客層の変化や市場の変化を予測することも重要です。
2.4 立てた目標に対しての行動計画も立てる
売上目標を立てたら、それに向けての行動計画を立てることも必要です。具体的には、商品やサービスの改善、営業活動の強化、マーケティング戦略の見直しなど、目標達成に向けたアクションを考えます。事業はすべてがうまくいくとは限りません。しかし、うまくいくための準備や行動の計画立案は事前におこなえます。自分の鍵屋としての事業を考えながら、立てた目標に対しての行動計画をしっかりと立てていきましょう。
3.粗利を上げて収益性を高めるためのポイント
事業を運営していく上で売上を上げていくことは重要ですが、粗利をあげていくことも必要とされます。粗利を上げることは、企業の収益性を高めるために不可欠です。ここからは粗利を上げて収益性を高めるためのポイントを解説します。
- 販売数を増やす
- 商品・サービスの価値を高めて単価を上げる
- 材料費などを見直して原価を下げる
3.1 販売数を増やす
粗利を上げるためには、販売数を増やすことが重要です。商品やサービスを多く販売することで固定費用を分散し、単位あたりの原価を下げることができます。また、販売数が増えることでブランドイメージが向上し、新たな顧客獲得に繋がることもあります。販売数を増やすためには、マーケティング戦略の見直しや、営業拡大などの施策が必要となります。
3.2 商品・サービスの価値を高めて単価を上げる
商品やサービスの価値を高めることで、単価を上げることができます。顧客が商品やサービスに求める価値を分析し、それに対応した改善を行うことで、付加価値を高めることができます。また、ブランドイメージや信頼性を高めることで、高級感や品質の高さをアピールすることも可能です。
3.3 材料費などを見直して原価を下げる
原価を下げることで、粗利を上げることができます。材料費や人件費、光熱費などのコストを見直すことで、無駄なコストを削減し、原価を下げることができます。また、取引先との交渉や製造プロセスの改善によって、原価を下げることもできます。ただし、原価削減によって品質低下や顧客満足度の低下が起こらないように、注意が必要です。
4.まとめ
本記事では、売上と粗利の概要や、売り上げ目標の設定のポイント、粗利を上げるためのポイントについて解説しました。鍵屋の事業を経営するのであれば、経営者として売上・粗利の管理は非常に重要となります。鍵に関する依頼をこなしていくプレイヤーでもありますが、事業を成立させる経営者でもあるという自覚を持っておかなければなりません。事業を発展させることは、顧客により用サービスを提供することにもつながりますので、経営者として事業をどんどん発展させていきましょう。